天下堂

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フィッティングの世界2010.04.25

フィッティング(眼鏡の掛け具合の調整)は眼鏡において一番難しいとされる作業

どれだけ精密な検査をして、どれだけ正確な加工をしてもフィッティングが合っていなければたくさんのトラブルを招くだけです
・眼鏡がずれてくる
・耳や鼻など痛くなる
・見え方に違和感がでる
・外観が悪くなる  などなど・・・

逆に言えばフィッティングに問題が無いと眼鏡って意外と使い心地の良いアイテム
コンタクトレンズと比較しても毎日のお手入れは楽だし、使い捨てタイプより
ランニングコストもかからない、なにより眼への酸素供給の負担が無い

さて、話が脱線してしまいそうなので戻します
フィッティングの手順としてまず大事なのが「側頭幅」(緑の矢印)

頭の幅に対して広すぎると当然ずれてきます。しかし逆に狭すぎても
眼鏡がずれ落ちる原因になります。これは卵を箸でつまむのと同じで
滑ってしまいます
なのでキツ過ぎず、ユル過ぎずフレーム素材の特徴を理解した上で合わせます
さらに「頂間距離」(眼とレンズの距離)をチェックします

次に鼻の当たる部分(パッド)の調整をします

パッドが鼻骨でちゃんと止まるように角度を合わせたりレンズがマツゲに
当たらないように距離をとったりします、理想は12mmとされています
このとき頂間距離が左右均等になるように先ほどの側頭幅とリンクして
調整してレンズパワーが左右正確に作用するようにします

この作業と同時進行で「前傾角」(レンズの傾き角度↓)も合わせます

ちなみにプラスチックのフレームはパッドの調整ができないものが多いので

骨格に合ったフレーム選びが非常に重要になります。
ただし後付けで調整可能なタイプに変更できる物もありますのでご相談ください

続いて耳の当たる部分(モダン)の「曲げ」です

心地よい曲げ位置は企業秘密とさせていただきます

最後にモダンを頭の骨に合わせて沿わせます

全てが決まるとマグネット効果と呼ばれる不思議な掛け味が生まれ
掛けてる気がしないのにズレない状態になります
それがフィッティングの最終到達地
どんな骨格の方にも満足してもらえるように日々精進してます

今回ご紹介したフィッティング理論はあくまでも基本です
現実はフレームデザインや骨格によって裏技を駆使しています

私はフレーム選びにおいてデザインのみではなく掛け具合も大事な要素だと
思っていますのでご相談していただけるとありがたいです
フレームが決まった時点でフィッティングの大半が決定されますので・・・

こういったことを大事にしてるので通信販売はしていません
フレームとレンズの価格が別なのもレンズの料金に
加工代、フィッティング代などの技術料を含めているからです

最後に。。。
定期的なメンテナンスは快適な掛け具合を保つ上で必要なことだと思います
たまにはメンテナンスに来てくださいね^^