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手作り眼鏡教室 ~番外編~2011.11.07
現在、眼鏡のレンズを加工する際に「エッジャー」と呼ばれる加工機を使用するのが一般的です。 今回の手作り眼鏡教室の参加者で、エッジャーの加工できるサイズを大幅に下回るレンズを用いるデザインを考案された方がいらっしゃいました。 その方に「これは作れますか?」と訪ねられた時、私は一瞬迷いました。 そもそも、手作業でレンズを削っていた時代は何十年も前のことで私が眼鏡業界に入った頃は「どれだけ加工機を上手く使いこなせるか」が求められました。加工機と仲良くなれることで加工時間も仕上がり良さも大きく変わります。 兎にも角にも、そのデザイン考案者の方に「できます。僕が手でレンズを削って加工します。」と言っちゃいました。そして本日、レンズの削りカスに塗れながら(^^;)度数もピッタリ、歪みも問題無く完成できました。眼鏡屋としてちょっとは先人達に追いつけましたでしょうか。 お客さん喜んでくれたらいいなーっと思います。
最近の加工機は非常に優れていて、最大0.05mm単位のわずかなサイズの調整も可能です。
しかし、昔まだ加工機が無かった頃の眼鏡屋は自らの手で加工道具を使いレンズを削っていました。
経験と勘が頼りのまさに職人の世界です。
普段の加工作業の中で、0.05mm以下のサイズ調整が必要な場合は手でレンズを削りわずかな微調整をしているのですが、最初からレンズを手で削ってフレームにピッタリ収まるように仕上げるという経験はほとんど無かったからです。